フローリングのメンテナンス
無垢フローリングは、定期的にメンテナンスを行うことによって、美観や独特の風合いを長期間楽しむことが出来ます。無垢フローリングは塗装状態によってメンテナンス方法が多少違ってきます。
ウレタン塗装の場合
ウレタン塗装とは、主成分である合成樹脂がウレタン系の塗料を用い、フローリングの表面に薄い膜を貼るような目的で塗装したものです。光沢が良く、耐水性に優れ、塗り替えが不要などのメリットがあります。一方で、傷が目立ちやすくなったり、表面の質感が変わってしまうといったデメリットもあります。
日常のお手入れ
床を拭く時は乾いた雑巾で行うのが基本です。表面がコーティングされていますが、出来るだけ水拭きは控えた方がよいでしょう。板の隙間のゴミは掃除機などで吸い取り、隙間に粘土質のゴミが詰まった場合はつまようじなどで取り除いて下さい。大きいゴミは一ヶ所に掃き寄せて掃除機で吸い取りましょう。
大掃除の場合
まず掃除機で目立ったゴミを吸い取り、こびり付いた汚れは固く絞った雑巾で拭き取って下さい。それでも落ちない汚れに対しては、中性洗剤を薄めたものを含ませて拭いて下さい。最後に乾いた雑巾で乾拭きをしましょう。
ワックスを掛ける場合
ウレタン塗装・ウレタンUV塗装のフローリングにはワックス掛けは不要です。また、杉と桧に使用している硬化クリア塗装などは、ワックス掛けを行うとムラが出る場合がありますので、ワックスの使用は控えた方がよいでしょう。ツヤを出す目的でワックスを掛ける場合は、そのワックスが無垢フローリングに塗装可能な商品かをよく確認した上で行うようにしましょう。ワックスを掛ける場合は、フローリングのゴミや埃をよく落とし、固く絞った雑巾で水拭きした後、床が完全に乾いてからワックスを塗るようにして下さい。この際、厚塗りにならないように注意しましょう。
注意点
(1)中性洗剤以外の洗剤は絶対に使わないで下さい。
(2)水がこぼれたらすぐに拭き取って下さい。塗れたままの状態にしていると、反りや割れの原因になります。
(3)水分を多く含んだモップや雑巾での掃除は絶対に避けて下さい。雑巾などは必ず固く絞ってから使いましょう。
(4)薬品の付いた化学モップなどは変色の原因になります。
自然塗装の場合
自然塗装とは、天然樹脂を使用した仕上げのことです。塗料を内部に浸透させることで、木の表面がしっとりとし、木の持つ質感をそのまま生かすことが出来ます。塗膜を作らないため傷や汚れが付きやすいのが難点ですが、傷自体は目立ちにくく、補修もしやすいという特徴があります。なお、場合によっては定期的に塗り直しが必要となることもあります。
日常のお手入れ
床を拭く時は乾いた雑巾で乾拭きし、大きいゴミは一ヶ所に掃き寄せて掃除機などで吸い取って下さい。板の隙間に詰まったゴミはほとんど掃除機などで取り除けます。粘土質のゴミが隙間に詰まった場合にはつまようじなどで取り除いて下さい。
大掃除の場合
まず掃除機で目立ったゴミを吸い取り、こびり付いた汚れは固く絞った雑巾で拭き取って下さい。オイル塗装の場合は、各オイルメーカーから販売されている専用のワックスクリーナーなどで汚れを拭き取って下さい。最後に乾いた雑巾で乾拭きをしましょう。
ワックスを掛ける場合
オイル塗装をした無垢フローリングにワックスを掛ける場合は、必ず塗装されたオイルと同じメーカーのワックスを使用するようにして下さい。ワックスの塗り方・塗布量・回数などはメーカーごとに違いますので、各メーカーの塗装手順を守りましょう。市販のウレタン塗装用のワックスを掛けると、毛羽立ちやシミの原因になりますので、注意して下さい。
注意点
(1)ウレタン塗装用のメンテナンス用品は使用出来ません。
(2)水がこぼれたらすぐに拭き取って下さい。塗れたままの状態にしていると、反りや割れの原因になります。
(3)薬品の付いた化学モップなどは変色の原因になります。
無塗装の場合
無塗装とは、塗装を一切施していない状態のことです。塗装していないため、木の色や質感をそのまま生かせるのが魅力ですが、一方で汚れが付くと木の導管に染み込みやすく、落とすのが難しくなります。なお、無塗装の状態では、フローリングの調湿効果が最も高くなります。
日常のお手入れ
乾いた雑巾などで乾拭きするか、掃除機でゴミや埃を吸い取って下さい。
大掃除の場合
まず、掃除機でゴミや埃を吸い取ります。隙間に入ったゴミはつまようじなどで取ってから掃除機で吸い取って下さい。次に、固く絞った雑巾で床全体を水拭きします。雑巾に汚れが付かなくなるまで、丁寧に拭きましょう。
注意点
(1)無塗装の無垢フローリングに市販のワックスなどを塗ると、床が水分を吸収して表面がざらつき、毛羽立ちやムラの原因になります。
(2)こすり過ぎると表面がささくれ立つので注意が必要です。
(3)汗などが落ちるとシミの原因になりますので、夏場などは注意して下さい。
(4)無塗装の状態で使ってからオイルを塗ると、汚れが浮き出ることがあります。必ず表面の研磨を行うようにして下さい。
絶対に避けたいこと
水分を含んだ掃除器具は使用しない
掃除を行う際に、ポリッシャー(自動床洗浄機)やスチームクリーナーなどを使用すると、表面が傷付くだけでなく、水分が原因で反りや割れが発生してしまいますので、使用は絶対に避けて下さい。無垢フローリングの汚れ対策であったり、つやを維持するには、定期的なワックス掛けで十分事足ります。
化学雑巾やモップなどは使用しない
化学雑巾や化学モップなどには様々な薬品が付着しており、無垢フローリングに使用すると変色の原因になります。なお、メーカーによっては、無垢フローリングに使用可能な薬品の弱い製品も販売されていますが、弱い薬品でも長い間床に付けたままにしておくと変色する場合がありますので、使用する場合は十分に注意する必要があります。
ホットカーペットは使用しない
無垢フローリングの上で直接ホットカーペットを使用すると、床に熱が伝わり、反りや割れ、毛羽立ちの原因となります。無垢フローリングの床ではホットカーペットを使用しないことがベストですが、どうしても使用したい場合は、必ずホットカーペットの下に断熱性の高いマットを敷くようにして下さい。その場合でも、高温で長時間使用することは避けましょう。 また、温風ヒーターも長時間使用すると、熱によってひび割れや目隙の原因となりますので、十分に注意して下さい。