スケルトン工事
スケルトン工事とは、建物の内部だけ共用部分を残し、仕上げ材を解体し、躯体だけにしてしまう工事のことです。スケルトン工事の注意点は、天井内・壁内・床下内などの中に共用部分の電線・旧排水管が埋設されているケースが多いことと、施工図面を基に工事を進めるのですが、図面通りに施工がなされていないのが現状です。そのため、内装解体は経験と実績が重要になってきます。
原状回復工事
原状回復工事とは、賃借部分を契約前の状態に戻すことを言います。通常の賃貸契約では、借主の原状回復義務の条項があります。原状回復がスケルトンの場合もありますし、建築復旧工事をしなければならない場合もあります。
原状回復の費用
店舗やテナント、工場などのスケルトン戻しが必要となる原状回復費用は、大きく分けると「造作物の解体費用」と「廃棄物の処理費用」の2つに分けられます。
造作物の解体費用
看板や建物内部の壁・天井・床をはじめ、カウンターや厨房など借主が設置したものを解体し、撤去するために必要な費用です。
廃棄物の処理費用
造作物の撤去時に発生する木材・コンクリートなどの産業廃棄物の運搬処理費用と、厨房用品などの廃棄物の運搬処理費用です。
家具など一般廃棄物として処理出来る物については、業者に処理を任せると産業廃棄物として扱われるため、同じ廃棄物であってもその処分費用はかなり高くついてしまいます。出来るだけ原状回復費用を安く抑えたいのであれば、工事前に市区町村の行政サービスなどを利用し、イスやテーブル、什器などを一般廃棄物(粗大ゴミ)として処理されることをお勧めします。
原状回復工事を安く行うポイント
原状回復工事は、賃貸物件の退去時に必要となる工事です。アパートやマンションなどの住居の場合は、借主側が業者に直接工事を依頼するケースはほとんどなく、大抵は貸主や管理会社が指定の原状回復業者に依頼し、その費用は敷金から支払われる形になります。住居の場合は修繕工事よりもクリーニングが主体となりますので、金額の違いもそれほど大きいものではありません。しかし、借りていた物件が店舗や飲食店、オフィスなどになると、住居の場合とは全く違ってきます。その最大の理由は、入居者が必要に応じて内装工事を施している場合が多いためです。そのような場合、造作物の解体や撤去をはじめ、廃棄物処理、修復工事など、様々な条件が加わってきますので、原状回復工事の費用も必然的に高くなってしまうのです。
原状回復工事は決して安い工事ではありませんし、坪数や産廃処分の量、工事内容によって金額も大きく変わります。また、業者によって見積金額が2倍以上も違う場合があったりします。出来るだけ原状回復工事の費用を安く抑えたいのであれば、複数の業者に見積を依頼して比較検討することがベストな方法です。オーナーや管理会社指定の業者が出した見積り額を鵜呑みにして契約してしまうことは、なるべく避けた方がよいでしょう。一般の人は原状回復工事の相場を知らないことが多いと思いますが、そこに漬け込んで法外な見積りを出してくる可能性も考えられるためです。
また、出来るだけコストを抑えたいのであれば、物件引き渡しの1ヶ月前には業者に見積りを依頼することが重要です。なぜなら、多くの賃貸物件の引き渡し日は月半ば~月末に集中するため、業者はその時期多忙になってしまう可能性が高いからです。工事費が安くて信頼できる優良な業者ほど依頼が多くなることが考えられますので、場合によってはもっと高い業者に工事を依頼するほかなくなってしまいます。しかも、引渡し日までに確実に工事を終わらせなければ、引き続き賃貸料が発生してしまいますので、注意が必要です。