システムキッチンの設備機器
システムキッチンは、様々な設備機器の組み合わせによって形成されています。各設備機器には色々な種類があるため、それぞれの特徴をしっかりと抑えておくことが、最適なキッチンを作るための大切なポイントです。
ワークトップ
カウンタートップとも呼ばれる天板のことで、調理などキッチン作業のメインとなる場所です。一般的には人工大理石やステンレス製のものが多いですが、タイルやホーロー、天然石などが使われる場合もあります。人工大理石のワークトップは、色や柄などバリエーションが豊富にありますが、傷がつきやすく熱に弱いのが弱点です。ステンレス製の場合は、熱に強くて汚れが目立ちにくいといった特徴があります。
シンク
システムキッチンの場合はステンレス製のシンクが主流で、オーダーメイドのキッチンの場合はホーロー製や陶器製のシンクもあります。ワークトップと素材が一体化したシンクでは、継ぎ目が無いため汚れにくいのがメリットです。反対に、ワークトップとシンクの素材が異なる場合は、なるべく継ぎ目部分が目立たない製品を選ぶことがポイントです。
水栓
水栓には大きく分けてストレートタイプとアーチタイプがあります。使いやすく、ニーズに合ったタイプを選ぶことが大切ですが、最近は深い鍋にも対応しやすいアーチタイプの方が人気です。また、レバーにもいくつか種類がありますが、水温や水量を調整しやすいシングルレバーの水栓がお勧めです。手で触らずに水を出せるタッチレス水栓も便利ですが、水温や水量の調整は手動で行われなければなりません。
加熱調理器
加熱調理器は、ガスコンロと、電気を熱源とするタイプの2種類に大別されます。ガスコンロはどんな鍋類でも使用出来るため、調理重視の方に向いています。また、最近のガスコンロは安全装置が備わったタイプが主流となっており、火災などの危険性も少なくなっています。一方、電気を使用するIH調理器は、デザイン性の面ではガスコンロよりも優れていますが、使用出来る鍋に制限があったり、同時に複数使用すると火力が弱まることがあるなどの点がデメリットです。しかし、基本的にはガスコンロとIH調理器の機能性や安全性、光熱費に大差はないので、ニーズに合うものを選ぶようにしましょう。
レンジフード
レンジフードの換気扇には、プロペラファン、シロッコファン、ターボファンなどの種類があります。プロペラファンは換気量が多いのが特徴ですが、直接外気に排気するため、外風が強い場合には風の抵抗を受けやすくなります。シロッコファンは羽の遠心力によって排気を行うタイプで、風量は少なめですが排気量は常に一定で性能的には安定しています。
ウォールキャビネット
ウォールキャビネットとは、キッチン台の上部に備え付けられた吊り戸棚のことです。幅はショート(約50cm)、ミドル(約70cm)、ロング(約90cm)の3種類あります。また、電動で昇降出来るタイプや、ドアリフトが付いた横型のタイプなどもあります。ウォールキャビネットには奥行きがたっぷりあるタイプも多く、大きな皿などの収納にも適しています。
ベースキャビネット
ベースキャビネット(フロアーユニット)とは、コンロや調理台などの下に設けられた収納スペースのことで、鍋やフライパンなどの大きなものをはじめ、何でも収納出来る便利なスペースです。引き出し式や前面スライド式など、色々なタイプの中から使いやすいものを選べます。また、ビルトイン型のオーブンを設置出来るベースキャビネットもあります。
キッチンパネル
キッチンパネルは、キッチンの扉などと同じ色や材質に仕上げるのがポイントです。市販のキッチンパネルは、表面が滑らかで色彩豊か、そして不燃性の高い材質で作られています。キッチンパネルは目地が少ないので汚れが目立ちにくく、お手入れが楽な仕上材料です。システムキッチンを注文するときにキッチンパネルも一緒に頼んで色や材質を揃えれば、キッチンに統一感をもたらすことが出来ます。
浄水器
浄水器には、水栓一体型や据え置き型などがのタイプがあります。水栓一体型の浄水器は、水栓部分で原水と浄水を簡単に切り替えて使用出来ます。据え置き型に比べてスペースを取らないといったメリットがありますが、浄水性能は据え置き型よりも劣るものが多くなっています。また、カートリッジの交換周期が短い点もデメリットです。これに対して据え置き型は、浄水性能が高く、カートリッジも長持ちします。また、キッチンに組み込むタイプの据え置き型もあり、これならシンク周辺のスペースも有効に使えます。しかし、大きいタイプだと収納がやや狭くなることもあります。浄水器のほかには、アルカリイオン水や弱酸性の水を生成する整水器もあります。
食器洗い乾燥機
食器洗い乾燥機は、自動で食器の洗浄および乾燥を行ってくれる機器で、食後の家事の負担を軽減出来るのが最大のメリットです。また、手洗いに比べて水の使用量がおよそ1/6程度となっており、水道代の節約にもつながります。その代わり電気代がかかってしまいますが、水道代の節約と労働の負担が減ることを考えれば、取り入れて損は無いでしょう。最近では、システムキッチンに備え付けのビルトインタイプの食器洗い乾燥機の普及が進んでいます。