増改築の方法
増改築の方法としてはおもに、既存の建物にそのまま差しかけて増築する「差しかけ増築」や、部屋を広げる場合などに建物の一部を取り壊す「取り壊し増築」、平屋の建物を2階建てにする「おかぐら増築」などの方法があります。ご自宅の状況や費用に合わせて最適な増改築の方法を選ぶことが大切です。
差しかけ増築 1
既存建物にそのまま差しかけて増築する方法で、おもに部屋数を増やしたり、新たに収納スペースを設けたい場合などに行うのが一般的です。軒下から増築するため、既存家屋の屋根を壊すことなく出入り口部分だけ解体すればよいので、ローコストでの増築が可能です。しかし、見た目的に既存家屋とのバランス感に欠けるなどのデメリットもあります。
差しかけ増築 2
リビングなどの天井を高くしたい場合や、2階まで増築したい場合に、既存の家屋に差しかけて増築する方法です。この方法では、既存の屋根を一部解体して繋ぎ合わせることになります。
取り壊し増築
部屋の床面積を広げたい場合に、既存家屋の屋根と壁を取り壊して増築する方法です。既存家屋を延長して広げる増築となるため、外観の見た目に統一感が出ます。ただし、屋根や壁の接続部分に問題があるとクラックや雨漏りの原因となってしまうため、しっかりと補強することが必要です。また、解体部分も多くなるため、差しかけ増築に比べると費用は割高になります。
おかぐら増築
平屋の建物を2階建てにするための増築方法です。敷地や建ぺい率に制限がある場合の増築に向いています。ただし、平屋の屋根を撤去しての増築となることや、柱や梁の補強、また新しく階段を設けたりなどの必要があるため費用は高くなります。
戸建住宅(工法別)の増改築について
在来工法
工法別では最も増改築しやすくなっていますが、大掛かりな増改築の場合は柱や梁の補強が必要になることもあります。
鉄骨造り
鉄骨構造の住宅で、在来工法と同様の筋交いを利用したブレース構造の場合は、このブレースが躯体を支えているため、壁などは撤去できない可能性があります。
2×4工法
壁が躯体を支える構造となっているため、壁の撤去を伴う増改築には不向きな工法です。また、窓やドアなどの開口部の延長に関しても制約が多く、間取り変更が難しい工法であると言えます。
プレハブ住宅
プレハブ住宅に使われる材質も様々ですが、パネルは工場で製造し、それを現場で張り合わせる形となるため、パネル幅によっては窓やドアなどの開口部を新たに設けることが出来ない場合もあります。
場所別の増改築
リビング・居室の増改築
新たに部屋を設けるために増築するタイプと、リビングや居室を拡張するために壁を壊して既存部分と増築部分をつなげるというタイプが一般的です。新たに部屋を増築する場合、敷地や窓の位置・大きさなどによっては増築した以外の部屋が暗くなってしまったり、使い勝手に問題が生じるケースもありますので、採光や使い勝手を考慮に入れながら増築を行う必要があります。リビングを拡張する場合は、増築部分の天井を高くすることで開放感が生まれます。また、部屋部分を2階のルーフバルコニーにするなどの方法もあります。
また、増築の場合は外観に統一感を持たせることも大切です。家の外壁をすべて取り替えてしまえば簡単ですが、それには相当な費用がかかってしまいますので、増築部分の外壁を既存の外観とマッチしたデザインにする工夫が求められます。例えば、増築部分をタイル張りにしてあえてアクセントをつけてみたり、増築部分の形を変えてみるなどして、既存の外観とアンバランスな印象にならないように工夫しましょう。
水廻りの増改築
古い戸建住宅の場合、水廻りが狭く造られていることが多くなっています。ユニットバスやシステムキッチンに取り替えるだけでも印象はかなり変わってきますが、増改築によってスペースを広げることで空間にゆとりを生み出すことが出来るようになります。敷地が狭くて大幅な増改築が難しい場合も、1坪程度増築するだけでも快適な水廻り環境を手に入れられるでしょう。