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建物診断とは

マンションの機能を効率的、経済的に維持するためには、劣化した部位、部材や設備機器などに適切な修繕を実施する事が必要です。その前提として、劣化がどの程度進んでいるのかを知るために行なうのが「建物診断」です。この建物診断は、実際に修繕を実施するために作成する「修繕実施設計書」の基礎資料となるばかりでなく、将来にわたって建物や設備機器を良好な状態で維持・保全するために策定する長期修繕計画の基礎データにもなります。このように、建物診断を行うことによって初めて改修工事を効果的に行なう事が出来るのです。 また、建物診断を行なう事で、大規模修繕工事を行なう必要があるという、理事会の提案理由を裏付ける根拠にもなります。

調査・診断は技量と経験、知識が必要とされる為、通常は一級建築士などの専門家が行ないます。管理組合の理事会や修繕委員会の中に専門家がいる場合は、自力で出来ない事もないですが、実際には時間的な余裕や責任の問題があり、設計事務所などの専門家に委託するのが一般的です。 しかし、建物診断を外部の専門家に任せるにしても、管理組合としても調査診断の目的をはっきりとすることと、建物診断業者の選定は公明正大に行なう事が重要です。建物診断は大規模改修工事全体の方向性を大きく左右すると共に、次の修繕設計の基礎となる為、建物診断業者の選定には慎重に行なわれなければなりません。

最近の傾向としては建物診断をした同じ会社が、修繕設計から施工まで一貫して行なう事は少なくなり、建物診断と施工部門は完全に切り離し、分離して独立性の有る発注形態が増えているようです。これは専門性を重視すると言う事と共に責任の所在を明確にし、客観的な立場から工事全体を監理するという事が重要視されて来ているからです。

建物診断の種類

マンションの調査・診断には3種類の診断があります。

1.建物劣化診断:建物の部位・部材の劣化状況を調べる。
2.設備劣化診断:給水管や排水管の劣化状況を調べる。
3.耐震診断:地震などに対する体力を診断する。

この中で大規模改修工事を前提とした診断としては、建物劣化診断と設備劣化診断が一般的に行なわれます。

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