タイル工事の費用
タイル工事の費用は、施工箇所や施工面積、タイルの種類や大きさ、施工方法などで変わってきます。また、平物タイルと役物タイルでは数量の表し方がそれぞれ異なり、役物タイルのほうが単価的に割高になります。また、外壁全体にタイルを張るような大規模な工事よりも、浴室やトイレの床など面積の小さい部分にタイルを張るほうが手間がかかり、返って単価が高くなってしまうこともあります。
なぜ役物タイルの単価は高くなる?
タイルには、平面が平らな「平物タイル」と、コーナー部分やサッシ周りなどに用いる特殊な形状の「役物タイル」があります。役物タイルには、標準曲がり、屏風曲がり、片面取り、段鼻などの種類があります。
タイルは、平面に張るよりもコーナーなどに張るほうが何倍も手間がかかるため、役物タイルを扱う場合、平物タイルだけを扱うときよりも手間代や材料費が高くなる傾向があります。一般的には、役物タイルを張る部分の単価は、1㎡あたり50%ほど余分に費用がかかるとされています。
タイルを張る際には、コーナーの数を最小限に留めながら、いかに見栄え良く仕上げられるかを考えることが、コストを抑えるために欠かせないポイントです。
タイルの価格
タイルは、一般的な屋根材やサイディング、フローリングなどに比べると、かなり高価な建材になります。一般的な建材の価格が1㎡あたり4000~7000円ほどなのに対し、タイルの価格は概ね1万円前後となります。役物タイルを用いればさらに価格は高くなります。タイルは、サイズが大きくなるほど価格も高くなり、300角のような大型タイルになると1㎡あたりの価格が2万円を超えるものもあります。
こうした事情から、部分的にしかタイルが張れず、当初イメージしていたデザインを断念せざるをえないケースも多いようです。しかし、印象的な部分にタイルを張ることで建物の雰囲気はガラッと変わります。少ない予算でも、効果的な張り方を工夫することによって、見違えるようなデザインに仕上げることが十分期待できます。
タイル工事の内訳
タイル工事では、タイル自体の材料費のほかに、副材費と施工費がかかります。副材費には、タイルの張付けに使用する接着剤、モルタル、目地剤などが含まれます。施工は大きく分けると、「タイル張り」「目地詰」「洗い」の3工程があります。目地詰とは、タイルとタイルの継ぎ目に目地剤を詰めていく作業のことです。洗いは、タイル表面に着いた接着剤などを落とす作業のことです。
タイル工事の費用例
下記は、一般的な住宅の玄関とキッチンにタイル張りを行った場合の費用例です。
ただし、価格はあくまでも一例で、施工箇所や面積、タイルの種類や大きさなどで金額は大きく変わってきます。
施工箇所(施工面積) | キッチン(4.7㎡) | 玄関壁(5.2㎡) | 玄関床(4.8㎡) |
タイル材料費 | 4万3千円 | 8万1千円 | 7万4千円 |
副材費 | 6千円 | 8千円 | 8千円 |
施工費 | 4万5千円 | 2万5千円 | 5万円 |
合計 | 9万4千円 | 11万4千円 | 13万2千円 |