外壁工事の費用
外壁は常に日光や雨風などにさらされる厳しい環境にあるため、劣化を考慮したメンテナンスを定期的に行う必要があります。大体3~5年に一度は外壁の点検を行い、窓枠の周囲や外壁材のつなぎ目など、雨水が浸入しやすい部位について「コーキング」と呼ばれる防水処理の目地が痛んでいないかを確認することが大切です。また外壁の亀裂やひび割れなども確認し、補修の必要があるようなら適切な処置を施さなければなりません。このような外壁のメンテナンスにかかる概算費用は、標準的一戸建て(1F床面積60~100㎡)の場合で、部分的な補修であれば2万~5万円、家全体のコーキングを再施工する場合は約20万~30万円となります(※家全体のコーキングには足場費用も含みます)。
外壁のメンテナンスサイクル
どのような住宅でも窓などの開口部や外壁材のつなぎ目は必ず存在しています。そのため、どの住宅でも定期的なコーキングの点検は必要ですが、外壁の材質によってメンテナンスやリフォームの種類は異なります。
外壁の種類 | 必要な補修・リフォーム | メンテナンスサイクルの目安 |
モルタル壁 | ・亀裂、ひび割れの補修 ・コーキングの補修 ・塗り替え | ・3~5年ごと ・5~10年ごと ・5~20年ごと(塗料のランクによる) |
サイディング (金属系・窯業系) | ・コーキングの補修 ・塗り替え | ・5~10年ごと ・5~20年ごと(塗料のランクによる) |
外装タイル | ・タイル剥がれの補修 ・コーキングの補修 | ・5~10年ごと ・5~10年ごと |
サイディング工事の費用
外壁の痛みが多少なりとも気になる状態で、住宅の構造部に水の浸入が疑われるような場合は、塗り替えではなくサイディング材を使用した外壁リフォームを行うのも良い方法です。外壁にサイディングを張る場合、構造部がまだしっかりしている場合は「重ね張り工法」、構造部も一緒にリフォームした方が良いと思われる場合は「張り替え工法」による施工が理想です。どちらの工法を採用するかは、まずリフォーム業者に外壁の状態を調べてもらった上で判断されると良いでしょう。サイディング工事は、塗り替え工事に比べると多少コストが高くなりますが、断熱性や遮音性の向上といったメリットがありますので、現在の住まい環境を考慮した上で塗り替えにすべきか、またはサイディングにすべきかを判断することをお勧めします。
【サイディング工事の概算費用】
重ね張り工法の場合 130万~200万円程度
張り替え工法の場合 180万~300万円程度
※標準的一戸建て(1F床面積60~100㎡)の場合。
タイル壁のリフォーム費用
焼き物の風合いを生かしたタイル仕上げの外壁は重厚感があるのが魅力で、色褪せもしにくく、30~40年以上に渡って美しさが長持ちします。タイル壁にリフォームする場合は、従来の外壁を下地として用いるため、しっかりとした構造部と外壁面が必要になりまます。最近では軽量化されたタイルや、タイルの剥がれを防止するための工法も確立されています。しかし、昭和56年以前の建築基準で建てられた古い建物は一般的に構造強度や耐震強度が弱いため、タイルリフォームには不向きであると言えます。建物を長持ちさせるためには、住宅全部を包む四面施工が理想的ですが、予算に合わせてモルタルやサイディングと併用する形で、住宅正面を含めた二面施工や、部分的にタイルで仕上げるのも住まいのアクセントになります。部分的に構造部補強が大規模になりそうな場合は、壁面構造を強化し、タイル仕上げを採用するのも一つの方法です。
【タイル壁リフォームの概算費用】
部分施工(10m2程度)の場合 30万~40万円程度
二面施工の場合 160万~210万円程度
四面施工の場合 320万~420万円程度
※標準的一戸建て(1F床面積60~100㎡)の場合。既存外壁の補強工事は含みません。